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2010年11月13日土曜日

イスラム世界はなぜ没落したか 西洋近代と中東 バーナード・ルイス

http://www.amazon.co.jp/イスラム世界はなぜ没落したか-―西洋近代と中東-バーナード・ルイス/dp/4535583307

この本は9.11の前に出された本だけれども、ブッシュもこの本に影響を受けたとされている。
そしてかの有名な「文明の衝突」の作者サムエル・ハンチントンにも影響を与えたらしい。二人ともハーバードの教授らしいから

この本は中世までのイスラム世界は繁栄をきわめていたけど、キリスト教世界で生まれた技術などは“異教徒の劣ったもの”として拒絶していた。そこで謙虚にキリスト教の文化を受け入れなかったから、繁栄出来なかった。しかしイスラム世界は自分たちが受け入れを拒否した自分に責任を求めるのではなく、西洋世界に押し付けたというのが作者の見方だ


この本はイラク戦争の理論的なイデオロギーになってしまった。
自分は履修問題があって、世界史は全く勉強していないと言っても過言ではない。
世界史の知識はほとんどない
だからこそなのかもしれないが、この本を読んでいて、イスラム世界の没落というのは案外すっきり納得してしまった。

それが恐ろしくこわい

もう少し他の本を読もう

2010年10月30日土曜日

「アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ」 モフセン・マフルバフ

この本はちょっと古い。
9.11が起こる前の2000年に書かれてる。
自分はこれまでアフガニスタンに関して知っていたことは

・イスラム原理主義の巣窟
・女性の権利が全くない
・難攻不落の国

ってゆうことしか知らなかった、というかこうゆう偏見、イメージを持っていて、
ネガティブなイメージが起きてしまった原因については全く知らなかったし、考えもしなかった。
大方宗教が絡んでややこしいんやろなぐらいしか思ってなかった。

この本はタイトルで買ってしまった
自分が小さい頃、どっかの山を刳り貫いて作ったような大きな仏像がどっかーんって崩れる映像を見た記憶があって、きっとこの本はあの仏像のことを言ってるんやなーと思った

そろそろ本の内容

まずアフガニスタンにある問題は、雇用がないという問題
アフガニスタンは遊牧でずっと生計を立ててきたけど、書かれた当時は旱魃がひどくて、生計を立てることは不可能だった
遊牧で生計を立ててきたせいで、羊が中心の生活になる
羊が食べる草が無くなったら、そこから移動する
生活が出来なくなったら、移住するのが当然になってくる
だからアフガニスタンの人口の30%が難民になる

これは雇用が無いから、移住する人の例


アフガニスタンに残る人は何をするのか
麻薬を作って密輸出する
アフガニスタンで作られた麻薬は世界の麻薬の50%らしい
本来ならアフガニスタンに金が流れるはずだけれど、中間の業者が掠めとってしまう
で作った人たちにお金がいかない 麻薬の世界でもフェアトレードは行われてないってゆう

アフガニスタンから出て行く人の中で、パキスタンに行く若者がいる
彼らはイスラームの神学校に行くことが出来る
そこで読み書きをクルアーンを通して学ぶ
そこで十分にクルアーンの内容が理解出来れば、ターリバーンに入り、イスラム戦士になる
イスラム戦士になるまでの過程で、読み書きを学び、さらにご飯も食べさしてくれる
アフガニスタンにいる時は食べることにも困ってたのに
そらパキスタンに行ってしまう


本の内容は著者の思いが詰まっていた


一番心に残った一文がこれ

先頃、全世界の人びとの悲哀を掻き立て、文化人や芸術家は誰も彼もが、破壊された仏像を守れ、と叫んだ。しかし、旱魃によって引き起こされた凄まじい飢饉のためにアフガニスタンで100万人の人びとの差し迫っている死については、国連難民高等弁務官の他に懸念を表明する人がいなかったのはなぜか。「仏像」の破壊については皆声高に叫ぶのに、アフガンの人びとを飢えで死なせないために、なぜ小さな声も上がらないのか。現代の世界では人間よりも像の方が大事にされるというのか


この一文が自分にとってこの本の一番大きな問いかけだった
自分はこの本を仏像が崩れたあの時のか〜って思いながら買った
アフガニスタンの飢餓で苦しんでいる人びとのことなんか知りもしなかった

この問いかけには答えがありすぎて自分で選ぶ自信、勇気が無い
でもこの問いかけは忘れたくない

2010年9月26日日曜日

「グレゴリー・J・ライリー 神の河 キリスト教起源史」

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4791759907/ref=oss_product

古代宗教からギリシャ、ユダヤ、ゾロアスター教そして科学技術の発展による宗教世界にどのような変化をもたらしたかということが書いてある本だ。


ギリシャでは神は人間と同じように肉体を持っている。人間と同じように嫉妬とか恋愛とかをする。普通に人間やなー


ゾロアスター教は善と悪ってゆう二元論で有名。それまでは善と悪ってゆう考えがなくて、神のきまぐれとか、神に感情があってそれによって人間にとって悪影響を与えるみたいなことがあった。でもゾロアスター教の二元論によって神と悪という問題が生まれた。その影響で終末論が生まれた。


科学の発展はそれまでの常識を覆した。神は雲の上にいるって思ってたけど、雲の上には宇宙があって、その宇宙も地球を中心ではないってゆうこと。
神は一体どこにおるんだーってことになる

本の中ではもっと詳しく書かれてるけど、こんなもんでw



ユダヤ教の人々はイスラエルの復興を絶えず願っていて、救世主とはダビデのように諸外国からイスラエルを守ったり、諸外国を打ち負かす人を救世主だと考えていた。イスラエルは大国であるギリシャやエジプトの脅威にいつも脅かされていた。そういう人々にとっての救世主が国を守ってくれる人だと考える道理も分かる。


だからこそ、イエスの言葉が印象的だった。

今驕っている者はいつか貧乏になるから不幸だ。
そして今貧乏な者はいつか幸せになるから幸せだ。

みたいなことを言う。

おれはちなみに熱心じゃないけど、仏教徒。
仏教にも諸行無常って言葉があって、驕れる者も久しからず、ただ風の前の塵に同じって言葉あるように、永遠なものは無いってゆうてる。


でも、そんなはっきりと幸福を言うのは違和感があるわー

てゆうか幸せってゆう概念も日本にあったもんではなかったんやろな


諸行無常がこの世の理だとおれは思う。