2010年10月30日土曜日

「アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ」 モフセン・マフルバフ

この本はちょっと古い。
9.11が起こる前の2000年に書かれてる。
自分はこれまでアフガニスタンに関して知っていたことは

・イスラム原理主義の巣窟
・女性の権利が全くない
・難攻不落の国

ってゆうことしか知らなかった、というかこうゆう偏見、イメージを持っていて、
ネガティブなイメージが起きてしまった原因については全く知らなかったし、考えもしなかった。
大方宗教が絡んでややこしいんやろなぐらいしか思ってなかった。

この本はタイトルで買ってしまった
自分が小さい頃、どっかの山を刳り貫いて作ったような大きな仏像がどっかーんって崩れる映像を見た記憶があって、きっとこの本はあの仏像のことを言ってるんやなーと思った

そろそろ本の内容

まずアフガニスタンにある問題は、雇用がないという問題
アフガニスタンは遊牧でずっと生計を立ててきたけど、書かれた当時は旱魃がひどくて、生計を立てることは不可能だった
遊牧で生計を立ててきたせいで、羊が中心の生活になる
羊が食べる草が無くなったら、そこから移動する
生活が出来なくなったら、移住するのが当然になってくる
だからアフガニスタンの人口の30%が難民になる

これは雇用が無いから、移住する人の例


アフガニスタンに残る人は何をするのか
麻薬を作って密輸出する
アフガニスタンで作られた麻薬は世界の麻薬の50%らしい
本来ならアフガニスタンに金が流れるはずだけれど、中間の業者が掠めとってしまう
で作った人たちにお金がいかない 麻薬の世界でもフェアトレードは行われてないってゆう

アフガニスタンから出て行く人の中で、パキスタンに行く若者がいる
彼らはイスラームの神学校に行くことが出来る
そこで読み書きをクルアーンを通して学ぶ
そこで十分にクルアーンの内容が理解出来れば、ターリバーンに入り、イスラム戦士になる
イスラム戦士になるまでの過程で、読み書きを学び、さらにご飯も食べさしてくれる
アフガニスタンにいる時は食べることにも困ってたのに
そらパキスタンに行ってしまう


本の内容は著者の思いが詰まっていた


一番心に残った一文がこれ

先頃、全世界の人びとの悲哀を掻き立て、文化人や芸術家は誰も彼もが、破壊された仏像を守れ、と叫んだ。しかし、旱魃によって引き起こされた凄まじい飢饉のためにアフガニスタンで100万人の人びとの差し迫っている死については、国連難民高等弁務官の他に懸念を表明する人がいなかったのはなぜか。「仏像」の破壊については皆声高に叫ぶのに、アフガンの人びとを飢えで死なせないために、なぜ小さな声も上がらないのか。現代の世界では人間よりも像の方が大事にされるというのか


この一文が自分にとってこの本の一番大きな問いかけだった
自分はこの本を仏像が崩れたあの時のか〜って思いながら買った
アフガニスタンの飢餓で苦しんでいる人びとのことなんか知りもしなかった

この問いかけには答えがありすぎて自分で選ぶ自信、勇気が無い
でもこの問いかけは忘れたくない

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